XC-HM82の基本的な機能とおすすめのスピーカー

Pioneerのネットワーク対応CDレシーバーXC-HM82の機能を、なるべくわかりやすいように紹介するページです。またおすすめのスピーカーも紹介します。

これまでに紹介してきた同系統の製品と比較していただくことで、この製品のキャラクターをうまく伝えられるように書いていければと思います。

※機種名としてXC-HM82とXC-HM82-Sのふたつの表記がありますが、同一の商品です(末尾の-Sはシルバーのカラーコードと思われます)。このページではXC-HM82(または単にHM82)と表記しています。

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XC-HM82正面写真

なにができるの? まずは基本的な機能を説明

XC-HM82を使うことで、
  • CDを聴くことができます。
  • ラジオを聴くことができます。
  • インターネットラジオを聴くことができます。
  • パソコンやネットワーク対応HDDに保存された音楽ファイルを再生することができます。
  • USB端子にiPod/iPhone/iPadやUSBメモリーを接続して再生することができます。
  • AirPlayで、iPod/iPhone/iPadやiTunesの音楽をワイヤレスで再生できます。
  • Bluetoothで、対応機器からワイヤレスで再生することができます。
  • リモコンアプリで、スマートフォンから便利に本機を操作することができます。
XC-HM82の機能アイコン

解説

XC-HM82は、ネットワークCDレシーバーに求められる機能がよくまとまっていて、オーディオ初心者や年配の方を含む幅広い層のユーザーを満足させることのできる、完成度の高い機種と言えます。それではまず、その基本的な機能からひとつひとつ見ていきましょう。

1. CD
一般の音楽CDのほかに、MP3やWMA形式で記録されたCD-R/CD-RWに対応しています。

2. ラジオ
AM、FMチューナーでラジオを聴くことができます。

3. インターネットラジオ
vTunerに対応しています。インターネット回線を通じて、日本を含め世界中の放送を聴くことができます。またvTunerのリストにない放送局でも、お気に入り登録していつでも簡単に呼び出すことができます。

4. ネットワーク再生
パソコン内や、ネットワークにつながったHDD(NAS)に保存されている音楽ファイルを再生することができます。対応ファイルフォーマットは、MP3、WAV、WMA、AAC、Apple Lossless、FLAC、AIFF、DSD(有線接続のみ)と多様です。DSDが無線LANには対応していませんが、現在主流のフォーマットは網羅していますね。

5. USB端子
前面のUSB端子にiPod/iPhone/iPadやUSBメモリーを接続して再生することができます。このときWAV、FLAC、AIFF、ALACのフォーマットでは、ギャップレス再生にも対応しています。またiPod/iPhone/iPadを接続した時には自動的に充電されます。

6. AirPlay
iPod touch、iPhone、iPad、またiTunesで再生した音楽をAirPlayでワイヤレスで飛ばして、HM82に接続したスピーカーから再生することができます。(要ネットワーク環境)

7. Bluetooth
Bluetooth対応のプレーヤーや携帯電話等から、ワイヤレスで音楽を送信して再生することができます。Bluetoothは、通常のAirPlayと違い、無線または有線の家庭内LANを必要としないというメリットがあります。またBluetooth送信機などを使えば、既存のPCなどからもワイヤレス送信できて便利です。

8. リモコンアプリ
XC-HM82にはリモコンが付属していますが、Pioneer ControlAppをダウンロードすることで、お手持ちのスマートフォンやタブレットからも本体を操作することができます。



ここがうれしい

  • 大きな液晶表示。
  • 日本語表示に対応。
  • スマホスタンドが付いている。
  • 付属リモコンも手抜きなし。

解説

1. 他機種と比べて大きな液晶で、曲名やアルバム情報とともにアルバムジャケットのアートワークを表示させることができます。

あとで総評のところでも触れようと思いますが、このHM82には、全体としてヒューマンインターフェイスの「当たりの柔らかさ」を感じます。この大きな液晶表示があるおかげで、これがなにをする機器なのか、今なにをしているのかが一目瞭然で、苦手な人にも「機械のおっかなさ」を感じさせないフレンドリーさを持っています。

インジケーターは、ポッドキャストなど長尺のファイルを聴いている時などに、今どのあたりを聴いているのかがひと目でわかって便利です。
XC-HM82の液晶の画像


2. 液晶は日本語表示にも対応。 曲名が日本語表示されないと、さすがに怒りの心境にまではならないものの、微妙にしょんぼりした気分にはなるものです。曲名が「01. 鰐・・ヌ;・ネノ」などと文字化けしていたらもちろん論外ですし(こんなものを表示させるくらいだったらケセバ!、と思います)、部分的に英単語が入ったJ-POPの曲名などが「08. ######## HAPPY DAY!」などと得意げに表示されているさまを見るのもまた、しみじみとがっかりです。

もし現代に清少納言が生きていたなら、こうした地味な感慨も枕草子に書いてくれたことと思います。たぶんtwitterで。

その点HM82の大型液晶は日本語表示に対応しています。だからあなたもがっかりしません。表示もとても見やすくできています。問題なくハッピーデイです

3. スマホを立てておけるスタンドが付属しています。iPhoneなどで画面の下側にコードを接続した場合、正面を向けて置くことが難しいですからね。iPadも横画面で立てることができて便利。CDのジャケットも立てられるみたいです。コストはそれほどかかっていないのでしょうが、これは気の利いたおまけだなあと思います。

4. 付属のリモコンもきちんとしていて、スマホがないから手も足も出ないということにはなりません。ガラケー派ユーザーも安心の、立派なリモコンが付属しています。MAP-S1のリモコンがそのあたりスマホ任せと割り切って、ばっさりと簡素化されているのとは対照的です。スマホの画面は別のことに使いたいよという人にもうれしいポイントです。


ここは残念

じつはこの製品には、残念というところが探してみてもあんまりありません。ないものねだりに近いですが、私があえて気にしたいポイントをいくつか。

  • 録音系の機能がない
  • radikoに非対応
  • リモコンの反応がややとろい

1. 録音系の機能がないこと。「毎日」「各曜日」「平日」「土・日」を含むタイマー再生の多様なバリエーションのなかには、「TUE-SAT」という深夜放送を意識した曜日セットまであるのですから、「これで録音までできたらなあ」とどうしても思ってしまいます。

2. radiko(ラジコ)には非対応です。でもM-CR610と同様に、スマートフォンなどのアプリからAirPlayで飛ばして再生させることが可能です。

3. リモコンによる操作には、地デジのチャンネル変更と同じ程度の遅延はあるようです。せっかちを自認している方には気になる点かもしれません。しかしこの機種に対しての不満らしい不満といえば、さしあたりこの程度。そういえば地デジにもいつの間にか慣れちゃったなという方には、すんなり受け入れられる範囲でしょう。私もそんなタイプです。ちなみに本体スイッチでの操作やネットワーク経由の操作は軽快です。


サイズ

本体のサイズは以下のとおりです。

  • 高さ  98mm
  • 幅   290mm
  • 奥行き 333mm

高さが10cmを切っていて薄型なのがわかります。設置面積はまあ標準でしょうか。奥行きが少しあるので、コード等の接続の余裕も含めて設置場所を確認してみましょう。


おすすめのスピーカーは?

さて、XC-HM82に合わせるのに、どのようなスピーカーを選べばいいでしょうか。たくさんの機種の中から、まずは同じメーカーの製品を見ていきましょう。

Pioneerのスピーカー

本体と同時に発売になった、S-HM82-LRS-HM62-LRがあります。Amazonの製品ページの情報によると、前者のほうが少しだけサイズが大きく密閉型、後者はバスレフ型になっています。1万8000円と1万4000円というのが2015年2月10日現在のそれぞれの実勢価格です。

ただこの2機種はまだ若い製品なので、現状ではやや評価の定まらない部分があります。Pioneerからは、すでに評価の高いS-CN301-LRというスピーカーが、参考価格3万8000円程度のところおよそ半額の1万8000円程度と値ごろになってきていて、これも選択肢に含めて考えてみたいところです。

S-CN301-LRは再生周波数帯域を見ても55Hz~40kHzと新しい2機種と変わりないので、ハイレゾフォーマットへの対応の点でも遜色はありません。聴き比べてみてこちらにしたというユーザーの方も実際いらっしゃるようです。私としても今のところこちらのほうを魅力的に感じます。

ちなみに私はまだ実機に接して試聴していないので心苦しい部分はあるのですが、このブログのスピーカー評価に準じて音質アイコンを設定するなら、この3種のスピーカーは基本的にはともに『高精細』評価になるかと思います。ただ実際の音を聴いてみたら、別のアイコンも追加で並べる可能性もあります。


かえって選びづらい・・・

今回も何種類か組み合わせ例を挙げてみようと思いましたが、これがなかなか選びづらい。

というのは、よほど鳴らしにくいものでなければ、どんなスピーカーにも合いそうなんですよね。密閉型のスピーカーを一緒に出してくるくらいですし、そもそもデジタルアンプを採用しているので特に低音の駆動力には余裕を持っているでしょう。

Pioneerというのはオーディオ的にはわりと中庸のすっきりした性格で、すごく高価な製品を別にすれば、音質的な面で際立ったメーカー的個性や色というのはそれほど感じないメーカーでもあります。だから組み合わせるスピーカーにも特にNGはなさそう。スピーカーのほうの音の好みで選んで正解だと思います。

(余談ですが、PioneerはONKYOとの事業統合が決まっていますが、いい相互作用が現れることを期待しています。業界にはデノンとマランツ、ケンウッドとビクターの良き先例もありますしね)


今回は、ユーザー像を想定しておすすめスピーカーを選んでみます。ほどほどに参考にしてみてください。数字はランキングではありません。


1. LS-K901
こちらも組み合わせの相手を選ばない万能型スピーカーです。とにかく無難な国内メーカー製を選んでおきたい安定志向の方に。


2. Mercury V1i
暖かみのあるほがらかな性格で、聴く人をリラックスにいざないます。子どもと一緒の空間でも大丈夫の、きつくない音。リビングを居心地よい場所にしたいママとパパに。


3. ZENSOR 1
量販店に行ったらこれが売れてるって言ってたよ。値段もいい感じだし。太い流れにはとりあえず乗っとけというミーハーな人に。(注:実際いい音です)


4. LITE2
身の回り品を知る人ぞ知る逸品で誂えて、他人とはちょっと違うセンスのよさを演出したい。対外的なイメージ戦略にも意識的な、そんなあなたに。


5. ピュアモルトスピーカー S-A4SPT-VP
朝のドラマでさー、最近ウィスキーにはまっちゃって、おいしいんだねウィスキー。


他のページでも多くのスピーカーを紹介しています。XC-HM82との組み合わせには、実力的にこのあたりの価格帯から選ぶといいでしょう。一覧ページからそれぞれの機種を紹介したページにリンクしています。お暇な時にでもお目をお通しください。


総評

今回ちょっと長いです。すみません。私が気に入っちゃったので。

人に近いオーディオ

XC-HM82には、近未来を先取りするような最先端の機能や、玄人をうならせるような突出したオーディオ的特質のようなものは与えられていません。その代わり、この種の製品に多くの人が求めるであろう基本的な機能が、過不足なく丁寧にまとめられている、使う人にやさしいネットワークプレーヤーになっているように思います。

デザイン上の特徴でもある大きな液晶画面はファイルの一覧性が高く、(ファイルフォーマットにもよりますが)アルバムジャケット等のアートワークの表示にも対応していますし、表示される文字も柔らかめのゴシック体ではっきりと表示され、読みやすいです。もちろん日本語表示にも対応。

AirPlayとBluetoothの両方に対応していますし、音質調整に関しては、同種のオーディオ製品と同じように低域と高域をそれぞれ調整できるほか、『CLASSIC』『VOCAL』『JAZZ』などが選べる、お手軽なプリセットモード5パターンも用意されています。

こんなふうに、従来のミニコンポ的な「便利」「手軽」といった要素にも手を抜いていないところがこの機種の特徴なんだと感じました。スリープ、目覚ましを含めて、各種タイマー設定もパターンが豊富です。このあたりは、ピュアオーディオというよりはAVも含めたホームユースオーディオの領域で長年鍛えられてきた、Pioneerの強みなのかなと思います。


その他の機能など

XC-HM82では、起動時間を短縮できる高速起動モードを設定できます。この状態でAirPlayやDLNAでの再生が始まると、それに追従して自動で電源が入るようになります(便利ですがその反面、スタンバイ時の待機電力が上がります)。

接続端子は背面にスピーカー出力端子1系統のほか、RCAのライン入力が2系統、光デジタル入力とサブウーファー出力がそれぞれ1系統。前面にはUSB接続端子、ヘッドフォン端子に加えて、ミニピンジャック入力も1系統を備えています。

これで多くの方には不足のない構成になっていると思います。ただ入力系の端子は比較的多めですが、LINE OUT(またはAUDIO OUT)が付いていませんね。MAP-S1やM-CR610、CR-N765には付いていました。さらに下流に信号を流したいとき、たとえば別の機器につないでなにかを録音したいと思ったらどうだろう、ヘッドフォン端子経由になるのかな、と考えました。こうした出力端子をよく使う方には注意が必要な一点です。


初心者や長年のライトユーザーにも違和感がない

コンパクトなネットワークCDレシーバーは、フルサイズの単品オーディオと比べて、威圧感を与えることなく設置できるのもいいところです。

XC-HM82はそんななかでもとりわけ見た目がすっきりしている1台です。一人暮らしのワンルームでも、大人のリビングに置いても悪目立ちしない外観になっています。部屋に友達やお客様を呼んだときにも、ごついマニアックオーラを発しません。

なのであなた自身もマニアっぽく見られることなしに、とても手軽な操作でスマートに、ハイレゾのいい音を楽しむことができます。いい音のスピーカーと合わせて、お客様にも印象のいい音楽のおもてなしができます

そしてやはり特筆しておきたいのは、XC-HM82がガラケー派にも使いやすい製品になっていることです。リモコンの機能を削らず、操作や設定をスマートフォンに頼り切っていないところにとても好感を覚えます。このことはもちろんスマホ派にとっても、選択肢が増え利便性が高まるわけで、見識とまで言ったら褒めすぎかもしれませんが、ユーザーのほうをちゃんと見てくれているなと感じる部分です。

スマホといえば、おまけ(?)のスマホスタンドも、アナログ的配慮が感じられてほっとします。製品全体として、こうした配慮や気配りの行き届いた、ビギナーを含む一般ユーザーにとって、最初のハードルがもっとも低い部類の製品だと思います。


おしまいに

これまでネットワークCDレシーバーを何機種か紹介してきました。詳細を調べるうち、これはあえて自分のブログで紹介しなくていいかなと思って却下した製品もあります。

個人的な方針として、ブログに載せている製品は自分自身が仲間や友人にもおすすめできるものに限っていますが、これなら小さな子どもと一緒にでも音楽を楽しめるんじゃないかな、ということを今回初めて考えました。

また私は、こうしたネットワークプレーヤーに限らず使い勝手はわりと重視するほうで、おすすめを考える時には「これって実家の両親にプレゼントできる(使いやすい)機種かな?」ということをいつも考えるのですが、このXC-HM82は、最高点で合格です。(iG)

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