ホームシアターに強いのはオーエス、キクチ、シアターハウスの3社
プロジェクターを使うのが初めての場合、最初はOA機器メーカーが出している安価なビジネス向けのスクリーンからでもかまいません。
ホームシアター用として暗い場所で使うのであれば、通販サイト等のレビューを見て無難な評価を受けているものを選べば、安価なスクリーンを選んだとしても失敗することはありません。
多くの場合それでも十分であり、納得できるスクリーン選びのためにはむしろその方が近道であることもあります。映像がスクリーンにどんなふうに映るかは視聴環境の明るさでも変わりますし、所有しているプロジェクターの出力も関係しますから、まずはベーシックな生地でどう映るかを見ておくことで、将来的に高いスクリーンを選ぶ際にも迷うことが少なくなります。
このページでは、家庭でのシアター環境作りに向けてスクリーンを製造販売している大手3メーカーと、それより安価なスクリーンを入手できる5メーカーを続けて紹介します。
オーエス(OS)
株式会社オーエス【プロジェクタースクリーンをはじめ総合映像システムソリューションを】
キクチと並んで豊富なラインナップを誇るトップメーカーです。ホームシアター以外にもビジネス・プレゼンテーション向け、営業用・広告用に至るまで総合的に取り扱いがあり、電動式・自立式・掛図・張込みなど、あらゆる設置方式を選べます。
ホームシアター向けの代表的な生地- ホワイト
- ピュアマット
- ウルトラビーズ
- サウンドマット
スクリーンサイズによって選べる生地と設置方式が異なりますが、家庭用としてはほぼ制約のないレベル。Amazonでも1万円台から30万円を越えるスクリーンまで豊富に見つかります。
キクチ(キクチ科学研究所)
株式会社キクチ科学研究所 公式WEB
こちらも多様なスクリーンを取り揃える国内老舗メーカー。初心者に使いやすいスタイリストシリーズを主力として手がけるほか、サイドテンション機構など優れた特徴を持つ海外製品もカバーしていて、中・上級者向けの選択肢も豊富です。
床置きタイプの「Stylist Limited」は、小さなお子さんがいる家庭でも安心して設置が可能。普段は壁際に置いておいて、視聴時に軽い力で引き上げることができます。
ホームシアター向けの代表的な生地- ホワイトマットアドバンスキュア
- ホワイトマットアドバンス
- 150PROGアドバンス(ビーズ系)
キクチは海外の高級メーカー・スチュワート(Stewart)と提携しており、マリブシリーズなど専門誌で評価の高い製品の取り扱いもしています。
オーエスと並んでホームシアター向けでは穴のない品揃えのキクチですが、本記事作成時点ではAmazonでの取り扱いはそれほど多くありません。2万円台からのリーズナブルなモデルが見つかります。
シアターハウス
プロジェクタースクリーン専門店 シアターハウス
自社オリジナルのスクリーンを展開している、スクリーン専門のネットショップです。
サイトには設置事例やカスタマイズ対応事例が豊富なので、ひととおり目を通すことをおすすめします。読む前よりも具体的にホームシアター作りのイメージが湧いてきます。
シアターハウスは黒マスク生地をを2重化することでシネスコサイズに対応したり、壁や天井を傷つけずにスクリーンを取付けできるポールを発売するなど、ユーザー目線での他にない商品開発が特徴的なメーカーです。
- ハイビジョンマット
- アクティブブラック
以下の5社は、ビジネス・プレゼンテーション向けが中心になるメーカーを含みます。ホームシアター用としては比較的廉価で設置が手軽なスクリーンを多く展開しています。
サンワサプライ
プロジェクタースクリーン - サンワサプライ株式会社
OA機器でおなじみのサンワサプライ。本格的ホームシアターというよりはビジネスユースの廉価なスクリーンを多く展開していて、もちろん家庭でも使えます。
100型までの壁掛け式、床置き式と90型までの三脚式を選べますが、スクリーン生地は(おそらく)マット系の一択のようです。
Amazonの取り扱いはこちらイーサプライ
プロジェクタースクリーン 激安通販のイーサプライ
スクリーンサイズは16:9の場合100型が最大とやや物足りない感もありますが、高いもので2万円台と定価レベルで安価なのが魅力的です。生地のバリエーションはなく、マット系一択になるようです。設置方式は電動吊り下げ以外はひととおり選ぶことができます。
自社ネットショップではオリジナル製品のほか、上記サンワサプライの製品も取り扱っています。
Amazonのページはこちら。安価なためレビューも多く付いていて参考にしやすい状況です。ファーストスクリーン
プロジェクタースクリーンならファーストスクリーン
ホームシアター用にもしっかり軸足を置いた製品開発をしているファーストスクリーン。ビーズ系のスクリーンが比較的安価で入手できる点が、個人ユーザーにとって他社にない魅力といえます。
代表的な生地- ホワイトマット
- マイクロビーズ
- スーパーGRAY
設置方式ではタペストリー(掛図)型、手動巻上げ(スプリングローラー式とチェーン式)型などを選べます。
Amazonのページはこちら。1-2万円台が中心です。泉
泉株式会社 スクリーン総合カタログ
主にビジネス向け・教育現場向けのスクリーンを取り揃えている泉(IZUMI)。ホームシアター向けの16:9や16:10のスクリーンもラインナップしています。
実売価格を見る限り、掛け図式や手動巻上げ式に関しては他の廉価メーカーと比べて微妙に高く、現状では価格的なメリットはそれほどありません。しかし「電動巻き上げ式のなかで安価なものを」とか、「セッティングの簡単な自立式スクリーンが欲しいけれどキクチのスタイリストに手が届かない」という条件だと一気に有力な候補になってきます。
代表的な生地- スーパーホワイトマット
- CW(モバイルスクリーン向け)
- WOL(マグネットスクリーン向け)
ナビオ
ナビオ株式会社 電動プロジェクタースクリーン
カーテンや電動ブラインドなども手がけるナビオ。プロジェクタースクリーンは電動のみを手がけており、一昔前は電動スクリーンに関しては唯一といっていい大手メーカーのオルタナティブでした。
現在は他にも安価な電動スクリーンを販売するメーカーが出てきているので価格的な優位性は薄れていますが、大型のスクリーンを長期間上げ下げしてもスクリーンにしわのよりにくい大径2重巻き取りパイプを採用するなど、他社と比べて価格とはまた別の機構的なアドバンテージを持っています(200インチまでの大画面に対応しているので耐久性の高さは重要になります)。動作音が静かなのも以前からの売りのひとつです。
Amazonで見つかったのは1製品だけですが、これは「プロジェクタースクリーンに転用できるタペストリー」といったほうがいいでしょうか。長さを自分で決めてカットするのがユニークです。
リビング環境にはホーム向けのスクリーンを選びたい
見た目の点でも生活環境に違和感なく設置できるスクリーンとしては、オーエス、キクチ、シアターハウスとナビオの製品がまずはおすすめ。
特に前2者は大手だけに国内トップレベルの品質と品揃えがあり、掛図、天吊り、自立、張込みなどの設置方法や巻き取り方法のバリエーションが豊富です。部屋にあわせて自分だけのスクリーンを作ることができます。
ネットショップ兼メーカーのような位置づけのシアターハウスも 生地のバリエーションはさほど多くない代わりに、設置や機構の面で常に改良を加えて工夫を凝らしている姿勢が好印象です。
最初は安いスクリーンでもいい
初めてスクリーンを選ぶ上で悩むのが設置方式もそうですけれど、なにより生地の材質です。マットでいいのか、ビーズにしたらいいのか、これまで使ったことがないからこそ悩むわけですね。
管理人は数年前までキクチのシアターグレイアドバンス(廃盤)というスクリーンを使っていました。今でいうと150PROGアドバンスがその後継にあたります(一時期は併売されていたと思います)。現在私はプロジェクターを所有していませんが、今度買うのであればもう明るさも十分だろうから、次はマットでもいいかなと考えています。私の場合、画質に思い悩むのはスクリーンを買う前だけだったように思います。上の記事でも書いていますが、最初は壁に直接映したり安いメーカーのスクリーンで間に合わせておいて、不満点がはっきりして求める画質が定まってきたら、その段階で本格的なスクリーンを検討してもいいと思います。
生地のサンプル請求
7~8年ほど前までは、生地のサンプルを送ってもらえるサービスが複数のメーカーにありましたが、正式なサービスとしては終了してしまったのでしょうか。いまはファーストスクリーンとシアターハウス以外は、積極的には宣伝していませんね。他のメーカーでも問い合わせから頼んでみると現在でも送ってもらえるかもしれません。
ただ、当時でもサンプル生地はハガキより小さなスマホくらいのサイズの生地だったので、並べて壁に投影してみても実際のところはよくわからない、というのが実情ではありました。すでに比較対象としてのスクリーンを所有しているのであればそれでも参考にできますが、スクリーンを買うのが初めての場合は、サンプルだけでの画質の判断はかなり難しいです。
その他のスクリーンメーカー
広めの専用ルームのある方や、これから家を新築する予定のある方、海外製の最高級スクリーンを実際に見てみたいという方は、アバックなどの専門(高級)ショップにも相談してみることをおすすめします。米国などホームシアター文化が古くから根付いている国ならではの製品は、このページで紹介している国内メーカーの製品よりもゼロがひとつ多いようなお値段になりますが、専門誌で高い評価を受けているスチュワートなど先進的かつ魅力的なメーカーのものが数多くあります。
先ほどもリンクしましたが以下のページではロールスクリーンなど安価な代用品についても書いています。
プロジェクター選びはこちら。
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