自分に向いている音質のスピーカーを選び出そう

手持ちのオーディオ機器の見直しをしてもっと高音質にしようと思ったなら、やみくもに機器を入れ替えて試行錯誤するより、あるひとつの基本的なセオリーに則って手順を進めましょう。

そのセオリーとは、プレーヤーやアンプからではなく、最初にスピーカーから替えてみること。そうすることで自分の音楽環境を、理想的な音質にスムーズに近づけることができるようになります。一体それはなぜでしょうか?


  あくびをする猫
  photo by *yasuhiro


オーディオ機器で一番大切なのがスピーカー

「ほんとうはこんな声だったんだ…!」

ずっと使っていた愛用のコンポだけど、スピーカーだけ別のと取り替えてみたら、見違えるように鳴り出した!と驚かれた経験のある方もいらっしゃると思います。「これまでこんないい音を聴けていなかったなんて」とか、逆に「音が悪くなってしまった!」という経験もきっとしたことがあるでしょう。

それはオーディオ関連の機器のなかで「音質を決定するもっとも大きな要素」がスピーカーだからです。もちろんプレーヤーやアンプも音には関わっていますが、出力の最終段階であるスピーカーは、プレーヤーやアンプよりもはるかに大きな影響力を持っているのです。


だから、今までのスピーカーを性能のいいものに取り替えたり設置を見直すだけで、愛聴している曲の中に今まで聞こえていなかった音を発見したり、簡単にそれまでよりも遥かにリアルな臨場感で映画やライブ映像を体感することもできます。


付属スピーカーではちょっともったいない

そんな重要な音の出口ですが、製造コストに制限のある格安ミニコンポの付属スピーカーなどの場合、その音質においてもまた質感においても、満足には程遠いのが現状です。

やはりそれではちょっともったいないと私は思います。レコーディングエンジニアの意図に沿って聴くのが正しいとまでは思いませんが、アーティストの存在感をまるですぐ傍にいるように体で感じ取るような、音楽を聴いて深く体感していく経験をできれば数多く積み重ねて欲しいと思います。

特に音楽が心の奥に伝わり、深く内面化される時期の若い人には、なおさらそんな体験は貴重です。音楽を聴くことは、たとえそれが趣味や娯楽であったとしても、カタログ的にリストの空欄を埋めていくような種類の経験ではなく、時にはアーティストの精神と他にその手段がないような方法で響きあい、奇跡的に邂逅する手段でもあるからです。そしてそれが人の未来を決定付けたり、長い間人生を支えていくことさえあるからです。


そんなわけで私を含め、人生のどこかで音楽のとりこになったオーディオのファンは、自分の気持ちにもっとしっくり来る音を求めて、量販店や専門店の展示品を試聴させてもらったり、ネットのレビューを読んだりしています。まあそこから初心を忘れて、「音楽」より「音」を追求しだすことも、よくあるパターンなんですけどね。

もしあなたが現在の音に不満を感じているのなら、今のスピーカーの代わりに少し品質のいい機種を試してみて下さい。想像した以上に音が変わって、きっとびっくりすることでしょう。ご友人など詳しい方が周囲にいるのであれば、その方に頼んで借してもらうのも一手です。



スピーカーの音は個性も色々

スピーカーを買ってみようと思って家電量販店や、思い切って専門店に足を運んでみても、国内外のメーカーからほんとうに数多くの製品が発売されていてどれを選べばいいかわからない人も多いことでしょう。ショップの店員さんは話しかけてみれば親切にアドバイスをしてくれますので、素直に自分の聴きたい音楽を伝えてみて下さい。

でもあらかじめ基本的なことについては知っておきたい、予算も含めてある程度見当をつけておきたいと思う方も多いでしょう。このブログはそんな人のためにあります。

スピーカーの音質は個性もさまざまです。国内、欧州、米国のメーカーにはそれぞれの伝統的なスタイルが感じられますし、ロックに向いている、クラシックやジャズに向いている、打ち込み系、ヴォーカル系、大音量向き、ホームシアター向き、寝室向きなどなど、今やあらゆる方向になんらかの機種が存在します。このブログの情報を参考にして、あなたにベストな1台を選び出してくださいね。




スピーカーの音質を改善しよう

設置でも音が変わる

スピーカーを新たに購入しなくても音質向上のためにできることはあります。現在お使いのスピーカーのまま、置きかたを工夫することで、聴こえる音を改善していくことができます。スピーカーの設置については部屋ごとに環境が違いますので、よりよいパフォーマンスを得るためには、スピーカースタンドに乗せたり、左右の間隔をひろげたり、やや内側に傾けたりするなどして、試行錯誤しながら最適な条件を探してみてください。インシュレーターを敷くだけでもかなり変わるものですよ。


接続方法でも音が変わる

スピーカーのケーブルのつなぎ方でも音を変えてみることができます。ケーブルそのものを変えることでも音が変わると言われていますし、スピーカーの端子が片側に2対あるタイプであれば、バイワイヤリングという方法で音質に変化を与えることができます。方法も簡単なので気軽に試して変化を聴きとってみましょう。



好みの音を出すには?

自分好みにスピーカーを変える、スピーカーで変える

音の好みも十人十色で千差万別。個々人によって好きな音の傾向は異なりますし、聴きたいシチュエーションだっていつも一緒ではありませんよね。テレビ用、ゲーム用、ホームシアターのサラウンド用など、用途によってスピーカーにもある程度の向き不向きがあります。

音楽鑑賞ひとつとってもジャンルは多様です。大人っぽいジャズを優雅に再生したい、低音のパンチのある音でロックを鳴らしたいなど、心地よく感じる音質や追求したい音質にも、それぞれのこだわりがあるはずです。


  • 「どんなスピーカーがどんなジャンルに向いているの?」
  • 「音楽の音質も、映画の効果音も重視したい!」
  • 「自分のマニアックな好みに合ったスピーカーってあるのかな?」

当ブログではそうした疑問をすっきり解決してもらうために、機種ごとの性格の違いを初心者にもわかりやすく紹介していきます。あなたにとってベストの一台を選び出し、最適の高音質環境を作り出すためにお役立てください。(iG)



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