自分好みに作り上げていける4312Eのサウンド

4312E
4312Eの音質は低音とくい,元気いっぱい

音質レビュー

本流

「これまでSTUDIO 230、4312M2、4306と見てきたけど、じゃあ、昔の音楽好きがジャズを聴いてノックアウトされていたような、あの猛り吼えるようなJBLサウンドはどこ行っちゃったの?」という疑問の声(を勝手に想像して)お答えして、この4312Eをご紹介しましょう。

ブックシェルフというよりはもうフロア型に近いサイズですが、4312M2の大きいサイズではありません。もちろんこっちが本元。4312シリーズは長い歴史を持つだけあって多くの種類がありますが、この4312Eはユニットもキャビネット素材も一新して、清新な音楽表現に磨きをかけました。


ホーンなしでも大人しくない

90年代録音のジャズを聴かせてもらえば、当然4312M2とはまるで違います。サイズの違いは圧倒的という感じで、想像以上に低音の押し出しが印象的です。見た目だけは同じようなスピーカーですが、ここまではっきりと雰囲気の違う音を出せるものかと感心します。まあこれだけ大きさが違えば、当たり前なんですが。(そしてそのあとで再び4312M2を聴くと「これはこれでなかなか」と感じるのですが)


4306との違いはその野性味。93dBの能率と、ローパスフィルターを持たないダイレクトなウーファー駆動の効果でしょうか、ボリュームを上げると演奏のサイズ感を掴むのに戸惑うほどのパンチのある音が飛んできます。まあ一般家庭ではあまり大きな音は出せないでしょうが、いささか暴れん坊とも思えるこの音をセッティングやアンプその他の機器で調節して、自分好みのスイートスポットまで持っていく試行錯誤が、JBLのスタジオモニターで音楽を聴く行為の趣味性のコアになるのだと思います。


比較したい機種は?

中古も視野に入れてみよう

過去の4312シリーズが比較対象になります。中古ということになりますが、JBLはファンが多く過去の製品も豊富に流通していて、サードパーティーも含めてメンテナンス体制もしっかりしているので、業者をしっかり選べば難しい買い物ではないでしょう。

少し前のJBLの製品で言うと、4306よりも4305H WXというモデルが私は気になります。いまだ聴けずじまいですが、小さめの4312系のようなエネルギッシュなイメージを持っています。私も含めて4312Eはまずその大きさにしり込みしてしまうという人には、いい候補になると思います。私もいつか機会があれば聴いてみたいと思います。


こんな人におすすめ

意外な一面もある

中途半端な知識を持っている私たちはJBLというとついジャズのイメージで見てしまいますが、実は昭和の歌謡曲を聴くのにもいいと聞きます。おしなべて歌ものにはドンズバではまるんだそうです。

言われてみれば、JBLだろうとモニターだろうと、他の一般のスピーカーと同じようにどんなジャンルでも聴けるのは当たり前ですし、ジャズのヴォーカル曲が目の前に迫って聴こえるように生々しいのですから、歌もの全般にいいのは当然ですよね。それを聞いた時には目からうろこが落ちました。


硬派だけどアイドルも好きだった

だから歌ものがなにより好きという方にも、4312Eをはじめとする大口径のモニタースピーカーを試してみることをおすすめします。アイドル系もいけると聞いて、私の中で硬派なJBLのイメージがかなり和らいでいます。

そう聞いてみればたしかによさそうですね、アイドル系。小室時代より前のヒット曲は特に相性がよさそうに思います。

意外なJBLの魅力を発見して、昭和時代どころかオーディオに興味を持ち出してからまだ10年経たないような私にも、俄然欲しい気持ちが湧き起こってしまいました。


「打撃としての音が飛んでくる」あの感じを今も色濃く残している、このスピーカー。ジャズでもロックでも、即興演奏の削りたての荒々しさは、そのまま生々しい音の新鮮さでもあります。良くも悪くも変わらぬJBLの趣き。これだよ、これがいいんだよ、という人におすすめします。スタンドは当然必須です。(azu/iG)

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