初心者でも2分でわかるBluetooth、AirPlay、ネットワークオーディオの違い
音楽を楽しむためにとても便利なBluetooth、AirPlay、ネットワークオーディオ。なんとなくわかってはいるけれどその違いについてまだあやふやな、これから始める初心者のために、「これだけ知っていれば製品選びを始められる」という基本的な部分だけを説明します。
photo by Susana Fernandez
ネットワークオーディオにはインターネット環境が必要
まずは「ネットワークオーディオ」のことから説明しますね。
ここでいう「ネットワーク」とは、インターネットを使っている家庭内の無線LANや有線LANのことを指します。無線でパソコンにつながっているプリンターなども、このネットワークを共用しています。
ネットワークオーディオは、プリンターなどと同じようにこの無線・有線LANなどのブロードバンド環境を利用することで、PCやNAS(ネットワーク対応のHDDのこと)に保存されている音声ファイルを再生できる機能です。
ネットワークオーディオを始めることで、CDをいちいち取り替えなくても、デジタル音源を手軽に選んで次々に再生することができます。
つまりこれまでのように膨大なライブラリーの中から聴きたいCDを探し出したり、聴き終わってラックに戻したりする入れ替えの手間がなくなるのが最大の利便性。検索もラクラクなので、好きな曲だけをリストして次々に再生させることができますし、演奏家や指揮者で同じ曲を聴き比べてみることも簡単です。一度この便利さを味わってしまうと、もう元には戻れないのがネットワークオーディオです。
※インターネット環境がない、またはブロードバンドルーターを使用しておらず、家庭内ネットワーク環境がない場合には、この機能を使うことができません。
ネットワークオーディオプレーヤーの紹介記事一覧はこちらです。
Bluetoothはインターネット要らず!
次は最近よく耳にするようになった「Bluetooth」です。Bluetoothはパソコン用のワイヤレスマウスなどでも採用されている汎用的なワイヤレス転送規格で、対応スピーカーが続々と出てきているように、デジタルオーディオの利便性もそれによって増しています。
Bluetoothは発信側と受信側で直接データをやり取りするので、無線LAN環境を必要としないのが特徴。だからその多くがBluetoothに対応しているスマートフォンとポータブルBluetoothスピーカーを持ち歩けば、屋外でもスマートフォンの音楽をスピーカーからワイヤレスで再生することができます。
またPCでアーティストの新譜をダウンロード購入して、そのまま離れた場所にあるスピーカーからBluetoothでワイヤレス再生させるなんてこともできたりします。
BluetoothはUSB接続の発信機や受信機が単体で市販されているので、そうした製品を手持ちの機器に接続することで、あとからBluetooth化するということもできます。
AirPlayには2種類ある
AirPlayもBluetoothと同じように、スマートフォンやタブレット、PC内の音楽ファイルをワイヤレスで再生できる機能です。Appleの規格ですが、多くの他社製品が対応しています。
AirPlayはBluetoothと違って、基本的には無線LAN環境を必要とするワイヤレス転送の規格です。家庭内に無線LAN環境があれば、Bluetoothと同じように気軽にデジタル音源をワイヤレスで再生できます。
たとえば、通勤通学の間にiPhoneのヘッドフォンで聴いていたMP3の音楽ファイルを、帰宅と同時にAirPlayに切り替えることで続きをそのまま部屋のスピーカーから再生させることができます。
AirPlayダイレクト
AirPlayには「AirPlayダイレクト」という比較的新しい規格もあって、それはBluetoothと同じように対応機器とデータを直接送受信できるのが特徴です。現状ではPanasonic SC-PMX9など一部の製品が対応しているにとどまりますが、インターネット環境のない場所でも、スマートフォンなどの音楽をワイヤレス再生することができます。
私見ではAirPlayダイレクトが必要になる場面は少ないと思うので、これからのユーザーはAirPlayかBluetoothに対応している製品を選ぶといいと思います。両方に対応している製品も多いです。
ワイヤレス再生の整理
- 家庭内に無線LAN環境があれば・・・Bluetooth、AirPlay、AirPlayダイレクト
- 家庭内に無線LANがなければ・・・BluetoothまたはAirPlayダイレクト
AirPlayとBluetooth、音がいいのはどっち?
一般的には、ロスレス(可逆圧縮)音源を再生できるAirPlayが音がいいとされています。Bluetoothは不可逆圧縮で、少しは音が劣化してしまう仕組みです。聴き比べてみてその差がわかることもあります。しかしBluetoothも新しくaptXやAACのような音のいい圧縮技術を採用する機種が増えていて、実際の使用現場においては音質の差は気にならない程度ということが多いです。
ワイヤレス再生に対応したミニコンポの紹介記事はこちら。