アンプやコンポが1台でもバイワイヤ接続してみたい!
現在、およそ3万円台以上のスピーカーには、ツイーターとウーファーを別々のケーブルで鳴らせるように、接続端子を片側に2対(4個)持っているものがけっこうあります。
せっかくの対応スピーカーですので、わたしたちライトユーザーでもできるような簡単バイワイヤリングを試してみましょう。本格的な方法ではありませんが、やってみれば効果はありますよ。
photo by *yasuhiro
バイワイヤリングとは?
スピーカーは通常、後ろ側にケーブルを接続するためのプラスとマイナスの端子をひとつずつ持っていますよね。このひと組の端子から流れる信号で、高音担当のツイーターと低音担当のウーファー(または中域のスコーカーも)を同時に鳴らしています。
私たちが音楽を聴いている間はツイーターもウーファーも絶え間なく動いていますが、サイズの大きなウーファーが動いて元の位置に戻ろうとする時には、スピーカーの中で「逆起電力」という力が発生しています。それはもともとのアンプから来た音声信号とは違う信号となって、ケーブルを伝ってツイーターを動かし、わずかながら音にも影響を与えています。
バイワイヤリングは、一義的にはその逆起電力のツイーターへの影響を排除するために行われる、オーディオ的な工夫です。
マニアは1組のスピーカーに対してアンプを2台(バイアンプ)使って高域と低域を完全に別系統で鳴らしたりしますが、私たちはなかなかそうも行きません。そこでアンプが1系統の場合の、手軽なバイワイヤリング方法を解説します。
簡単バイワイヤリングの手順
使うものは4芯ケーブル
バイワイヤ接続には下のような「4芯」のケーブルが便利でおすすめです。
赤が2本、白が2本の4芯になっていて、バイワイヤリング(やバイアンプ)に対応しています。同じ色の芯を2本ずつまとめれば通常の2芯ケーブルと同じになるので、1本のケーブルで接続方法を使い分けることができます。赤白ではなくて赤青白黒などの4色の場合は、どの色も中身は一緒なので、頭の中で2色ずつペアにしてください。
使うケーブルはいろいろと市販されていてどのようなものでもお好みで選べばいいのですが、きわめて安価で定番中の定番なのがカナレ4S6です。もう少し太い4S8も人気ですが、端子に入らなかった例があると聞いたことがあるので4S6にリンクしています(4芯構造のイラストあり)。別ウィンドウで開きます。
一般的な2芯ケーブルを左右2本ずつ使ってもいいのですが、4芯だと左右1本ずつにできて見た目もすっきりですし、2本をまとめた時に太すぎて端子に入らないという事態を避けることができます。
簡単バイワイヤリング
4芯ケーブルを使う場合の説明です。あらかじめスピーカー側のジャンパープレートやジャンパーケーブルといったものは外しておきます。
1. まずアンプ側は同じ色の芯をまとめてねじって、一般的な2芯ケーブルと同じように接続します。
2. スピーカー側では、ツイーターのプラスとマイナスに赤白を1本ずつ、ウーファーまたはスコーカーのプラスとマイナスにも赤白を1本ずつ接続します。
3. それを左右で同じようにおこないます。
以上で簡単バイワイヤリングの接続が完了です。誰にでもできますのでチャレンジしてみてください。
音質アップのためのひと工夫
このページはTEAC S-300NEOやmarantz M-CR610の記事の参考になればと思って書いてみました。上で書いた方法はアンプ側の接続部でケーブルが接しているので完全に系統が分かれているわけではありませんが、M-CR610やM-CR603にはアンプが2系統搭載されているので、より厳密で本来的な意味でのバイワイヤリングを気軽に行うことができます。
またS-300NEOのように裏側を見て片側のスピーカーに端子が4つついていれば、もちろん他の製品でも同様のことが可能です。あなたのお手持ちのスピーカーはどうなっているでしょうか。ぜひ今後のスピーカー選びの参考にもしてみてください。
バイワイヤリングには方法がいくつかあって、「たすき掛け法」とか、バイワイヤ接続した上でツイーターとウーファーの端子をジャンパーケーブルで再び繋げてしまうとか(元通りの音じゃないらしいです…)、面白いことを試している人がたくさんいます。このページの方法は「ネットワーク冗長化法」とでも言ったらいいでしょう。もっとも簡単なやりかたです。あなたもちょっとした工夫で、もっといい音を楽しんでくださいね。