今年の自作キットはバックロードホーンスピーカー
例年自作スピーカー用のエンクロージャー(箱部分)を付録につけて好評のムック『スピーカー工作の基本&実例集(音楽之友社)』ですが、去年の2WAYに続き、2015年版はなんとバックロードホーンスピーカーを用意してきました。
プレカットだから接着だけで簡単に完成
バックロードホーンとなると自作スピーカーの中でも難関になります。しっかりロードがかかるようにする設計もそうですが、設計に合わせて正確に板をカットして組み立てるだけでも容易ではありません。しかし今回のキットでは板がすべてカットされた状態で適宜スリットやプリントも入っているので、小・中学生でも木工用ボンドだけでプラモデルのように組み立てることができます。
ムック本体には組み立て手順のほか、バックロードホーンという方式についての解説も記事になっています。簡易版ながらバックロードホーンスピーカーがどのような仕組みで小さな箱から豊かな音が発生するようになるのかを、実例を通して学ぶことができます。表紙に大書されているように「付録エンクロージュア・キット史上最大サイズ」ということも今回の売りのひとつです。
ユニットのほうも"史上最大"
同じ音楽之友社の月刊誌『Stereo』2015年8月号には、FOSTEXのフルレンジユニット2個が付録についています。ムックのほうと合わせることで2台ペアのバックロードホーンスピーカーが完成します。
こちらのフルレンジユニット「P1000」も、Stereo誌の付録史上最大サイズとのことで、口径は10cm。能率は88dBで、小型スピーカー用としてはなかなか高くなっていますね。
趣味の工作にも"オーディオ教育"にも
毎年楽しみにしているファンの多いこの付録ですが、大人のオーディオファンはもちろん、工作に興味のある子供にとってもいい企画だと思います。理科離れに遊びで対抗するひとつの方法でもありますね。
あとでFOSTEXから完成品のエンクロージャー(箱部分)が出ることがありますが、その場合値段が倍ほどになるのが通例なので、組み立てが苦にならず楽しめる人なら付録キットのほうがおすすめです。
製作に役立つその他のTips
木工で接着をするときに忘れちゃいけないのがクランプによる圧着です。接着したら当て板をしてクランプで挟んで一晩置くと、精度と完成後の強度が違ってきます。
素材がMDFなので塗装してもきれいな木目は出ませんが、カッティングシートを貼ってみる方法もあります。いろんな柄やパターンの木目があるので、それを選んだりするのも完成後の楽しみになります。
カッティングシートを使った製作実例を、去年のモデルのユーザーレビューで見ることができます
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