スピーカーのツイーターを耳の高さに合わせたいけれど・・・

高音の指向性についておさらいする短い記事です。

  ツイーターと耳の高さ

「ツイーターの高さは耳に合わせる」のはなぜ?

「スピーカーの高さは、聴く人の耳の高さにツイーターが来るようにするのが基本」と言われることがあります。それはなぜでしょうか。


それは、音の中でも高い音は指向性が強い、つまり音の広がる範囲が中低音よりも狭いという特性を持っているからなんです。


視覚的にイメージしやすいように、スピーカーから出る音のようすをシャワーで例えてみましょう。シャワーを持って前方に向かって水を撒いたとき、全方向といっていいほど広い方向に放出されるのが低音、シャワーの前方の広い範囲に水がかかるのが中音、さらに射出の範囲が絞られて、前方の狭い範囲だけに水が集中するのが高音というようなイメージです。


スピーカーにツイーター、スコーカー(ミッドレンジ)、ウーファーの3つのユニットがあるとすると、アンプから来た音声信号は1台のスピーカーの内部で高音・中音・低音に分けられて、各ユニットからそんなシャワーのような形で放射されています。それを人の耳が聴き取って、脳で再びひとつの音調として統合されて、音楽体験を作り出しています。

このとき高音だけは音のしっかり届く角度の範囲が比較的狭いため、聴き手が上下左右でその角度を外れたところにいればいるほど、相対的に聴きづらいものになってくるのです。

そんなわけで、なるべくスピーカーのツイーターが耳の高さになるようにしておけば、少なくとも上下の範囲では高音のスイートスポットから外れることがなくなる、というわけです。


そのような事情があって、基本は常にツイーターを耳の高さあたりにしたいところですが、設置場所や視聴環境の都合によって、理想どおりに行かないことも多々あります。とくにトールボーイスピーカーの場合は、購入後にツイーターの位置を調節するのは困難ですね。そのような場合は、スピーカーを「内振り」にすることである程度改善することが多いです。

内振りとは、正面を向いている左右のスピーカーを聴き手の方に向けることをいいます。つまり音の軸を自分のほうに向けてやることで、左右のスイートスポットに自分が入るようにして、高音がよりよく聴こえるようにするわけです。

トールボーイスピーカーは映像と組み合わせることも多いですので、最初に映像の位置に合わせて機種選定することも大事になります。トールボーイの全高が機種によってかなり違うものだということは、案外見落としがちな部分です。



ニアリスニングでは高音のスイートスポットから外れやすい

とはいっても、最近のスピーカーであればツイーターの性能もいいですので、高音の指向性のあまりきついスピーカーはほとんどないと言っていいくらいだとは思います。比較的音を広げず前に音を飛ばすタイプの多いモニター系の機種でも、スピーカー間の平行線の中にさえいれば、高音が減衰して聴こえることはまずありません。

ただ、スピーカーと聴く人の距離が近いニアリスニング環境では、左右のスピーカーと人が作る三角形は鈍角になります。つまり必然的に高音のスイートスポットから耳が外れやすくなります。そしてこのようなときにも内振りは有効です。スピーカーと2メートル以内くらいの近距離で音楽を聴いている人は、両側のスピーカーを軽く自分のほうに向けてみると、結構音が変わって聴こえるのがわかると思いますよ。


デスクにスピーカーを直接置いて音楽を聴いている場合、多くの場合でツイーターは耳より下になると思います。こうした場合、音楽鑑賞のボリュームがごく低音量だと、高音と低音のバランスが崩れて聴こえることもあります。そのときもう少し高域をしっかり届かせたいと感じるのであれば、DTM用のスピーカースタンドを使ってスピーカーの高さを稼ぐのもひとつの手です。


ツイーターの位置を下げたい時には?

逆にブックシェルフスピーカーが耳よりも高い位置にあって、もう少しツイーターの位置を下げたい場合はどうしたらいいでしょうか。

実はスピーカーの置きかたは自由です。現在市販されている一般的な機種であれば横にして置いても構いませんので、ツイーターを低くしたい場合、横位置で置いてみると聴感上好ましい結果につながることもあります。ツイーターが内側に来るように置いたり外側になるように置いたりして、比較してみるといいでしょう。

この場合は側面を下にすることで接地面が大きくなるので、それが音に影響する可能性もあります。インシュレーターオーディオボードの使用も併せて考えてみてください。

大理石のオーディオボードを入手する方法についての記事がこちらです。