YAMAHAらしい中庸音質のハイレゾスピーカーです

YAMAHA NS-B330
YAMAHA NS-B330

NS-B330 音質レビュー

YAMAHAの新しいブックシェルフスピーカー、NS-B330を試聴する機会がありました。以下はそのときの感想です。

画像ではわかりにくいですがスピーカーの側面がラウンドした形状。前面の塗装は艶ありです。浅いホーンの形のプレートが目に付きますが、ツイーターそのものはドームツイーターが使われています。

使用したアンプはDENONのデジタルアンプPMA-50で、曲はチック・コリアの『リターン・トゥ・フォーエヴァー』冒頭のタイトル曲を2回聴いてみました。NS-B330がハイレゾ対応なので、電子音を含んで音場感のある音源にしてみようということでこれを持参したのですが、まあ今なら中田ヤスタカでもいいかと。

このCDを普通に聴いている限り、ハイレゾ化に伴う音場感の不自然さや腰高感は特に感じられません。芯のある軽薄さのない高音が出ていると感じました。前もって予想はしていましたが、聞こえる領域で演出のようなものがないことは自分なりに確認できました。



ハイレゾは「聴こえない領域」から影響してくるもの

・・・そもそもNS-B330が対応している45kHzというのは、普通の人の耳にはまったく聞こえていない領域です。ただこの領域の音まで整った形で出せていれば、ハイレゾ音源を再生したときに低いほうの倍音成分が悪さをしないので、聞こえる部分の高域も整って「伸びて」聴こえるとか、その程度のものだと個人的には考えています。敏感な人は空気感が変わるとか、逆に低域の印象が良くなると感じることもあるそうですね。

(PCからスピーカーに出力できる環境のある人は、2Hzから20kHzまで音程が連続的に変化していく音声動画がYouTubeにあるので、探して再生してみてください。アラフォーの私の耳では16000Hz~あたりでガクッと音量が下がって聞こえるのを経験しました。)



万能型です

音質傾向としては、レビューしたことがある機種で言えば、ワーフェデールDIAMOND10.1の音に雰囲気が似ています。両者ともに、基礎体力がそこそこあり、その8割くらいの力で無理なく仕事をこなしている感じです。

比べてみるとよりアタック感があるのがDIAMOND10.1で、NS-B330には、わずかに落ち着いた印象を持つのではないかと思います。

中高域をくっきり描写するのは共通していても、その筆圧はDIAMOND10.1ほどではなく、筆致も「勢いがある」よりは「俊敏に描き出している」イメージです。(まあ、実際に聴き比べたわけではないのであくまで印象論ですが)


NS-B330は、クールでも濃い味でもない、国内メーカーらしい(またそのなかでもYAMAHAらしい)、標準的な性格を持つ万能型という評価で間違いのないところだと思います。広いジャンルの音楽を平均的に聴いている人に試聴してほしいスピーカーです。

※まだ1回聴いただけなので、取り急ぎ感想まで。別の機種と比較する機会があれば時機をみて追記しようと思います。



3万円クラスの中心のひとつになれるかも

派手さのないキャラクター

NS-B330は、お目当ての機種のオルタナティブというか、「より個性の少ない、標準的な機種」として一緒に試聴してもらうと特徴がさらによくわかるような機種ではないかと思います。

たとえば、このNS-B330を価格の近いDALI ZENSOR1と比較してみると、ZENSOR1のほうがいくらか若い音がするように聴こえるはずです。高域のはじける感じはZENSOR1のほうが強く、またごくわずかな艶感が音全体をまとめているように感じられるでしょう。

それに比べてNS-B330はもっと正統派というか、無味無臭に近く、より色付けのない音で鳴っているように聴こえるのではないかと思います。地味といえば地味かもしれません。

でも同価格帯のお目当てのスピーカーと一緒に比べてみた時に、自分には案外NS-B330のほうが向いているなと感じる人も少なくないはずです。



ショップでも比較しやすいNS-B330

NS-B330はYAMAHAというメーカーの安心感だけでもそれなりに売れる人気機種になると思いますし、またそれ以上に、同価格帯のどの機種とでも比較できるメートル原器的な定番機種としても貴重ではないかと思います。

現状ではZENSOR1がその位置にあるかと思うのですが、ZENSOR1は少しだけ低音が控えめで、音質の面でクラスの標準とは言いがたい部分があります(もちろんそれはZENSOR1の個性であり美点です)。

ショップに行っていくつかの機種で迷ってしまった時、とりあえず比較してみる対照機種としてNS-B330も一緒に聴いてみると、ある程度それぞれの印象が整理できそうです。


また現在NS-BP200などの入門クラスのスピーカーを使っている人がこのNS-B330を聴くと、出てくる音が高・中・低域とも、より精緻でリアルに鳴っていることや、それでいて各音域がバランスよく保たれている部分などに、「音質がよくなるって具体的にはこういうことか」と理解が深まる経験ができると思います。

 Amazonのページはこちら