ONKYO、YAMAHAほか, 各メーカーで最も人気のあるAVアンプ/レシーバーを1台ずつ紹介!

ホームシアターには必須となるAVアンプ。各社のラインナップの中でも、高コストパフォーマンスが実感できる低価格のアンプがやはり最も人気です。近頃はチューナーやBluetoothが付いて多機能化し、AVレシーバーと呼ばれることも多くなっていますね。

AVアンプの基本的な役割は、BDプレーヤーなどから入力された信号を、映像や音としてテレビ・スピーカーに割り振って出力すること。エントリークラスでも、10万円前後のミドルクラスや30万円以上のハイエンドクラスでも、その点では同じです。

音にこだわって高品質化していくことで価格もどんどん上昇していきますが、とくにこのページで紹介するエントリクラスの価格帯では、スペック的にはほぼ横並びで大きな差がないのが実情です。価格と機能は比例しているものと、とりあえず考えておいても構いません。

ですのでBDプレーヤーやゲーム機など、接続したい機器の数がおおよそ決まっていれば、あとはWi-Fiや自動音場補正などの付加的な機能と、メーカーへの慣れや好みで選んで差し支えありません。売れている機種は購入ユーザーのレビューも多いので、それを読んで音質のニュアンスなどを参考にしてみましょう。


ONKYO TX-SR343

ONKYO TX-SR343
ONKYO TX-SR343
  • HDMI端子:入力4、出力1、4K/60P対応
  • 幅x高さx奥行き:435x160x328mm
  • 付属品:プリプログラム対応リモコン、AM室内アンテナ、FM室内アンテナほか

このTX-SR343は、ONKYOのAVアンプの中では下から2番目になるエントリークラスのモデル。5万円台以下の価格帯の中でも特に安価で競争力があるので、売り上げでも常にトップを争う位置にいます。

オーディオ用スピーカーではいくぶんドンシャリ寄りのイメージもあるONKYO。でもアンプ自体はわりとフラットなきれい目の音出しですので、テレビ、映画、ゲームなどのジャンルで、とくに向き不向きや相性がありません。(ついでに言えば、ONKYOのアクティブスピーカーも中庸な音質傾向です)

このクラスのAVアンプは、基本的な機能はどれも似たり寄ったりなので、ch数と端子類の数が十分であれば、あとはリモコンが使いやすそうかどうかなど使い勝手の面で検討していいと思います。

あえてTX-SR343の機能面での特長を挙げるとしたら、アナログ入力が多めであることでしょうか。ただ各スピーカーの出力バランスを部屋に合わせて自動で調節してくれる自動音場補正は付いていません。

ですので予算に余裕があれば上位のモデルも比較してみるといいでしょう。一つ上のTX-NR656も5万円台に下がってきています。

ONKYOの現行AVアンプを上位から下位に並べてみました。

 TX-NR3030 11.1ch。
 TX-NR1030 9.1ch。
 TX-RZ810 7.2ch。Wi-Fi対応。
 TX-NR656 7.2ch。自動音場補正あり。
 TX-SR343 本機。
 NR-365 スリムタイプ。

 Amazonのページはこちら


YAMAHA RX-V581

ヤマハ ネットワーク対応 7.1ch AVアンプ(ブラック)YAMAHA RX-V581(B)
YAMAHA RX-V581
  • HDMI端子:入力4、出力1、4K/60P対応
  • 幅x高さx奥行き:435x161x327mm
  • 付属品:リモコン、AMアンテナ、FMアンテナ、YPAO(自動音場補正)用マイクほか

YAMAHAの音は、(あくまでメーカーの全体的な傾向として)すっきりした印象で色付けのない、ナチュラルな音質が特徴です。やや寒色寄りのONKYOと比べれば優しさやあたたかみがあるイメージ。なにより音場補正に一日の長のあるメーカーですので、他社より自然なサラウンド感が楽しめます。人のセリフや高中低音の出かたなどでバランスを第一に求める人、エネルギッシュな音の迫力よりサラウンドそのもののハイレベルな空間表現を感じてみたい人にはYAMAHAをおすすめします。

Amazonのレビューには、「すべてのパラメータをハイに設定したら生き生きとした好みの音になった」というレビュアーの書き込みがあります。実際そこまで極端な音質設定を行うことは少ないかもしれませんが、元がナチュラル傾向だけに、それぞれの好みに合わせて音質調整できる幅は大きいのでしょう。

YAMAHAのAVアンプのラインナップは他のメーカーよりも多いです。その中にあってRX-V581は「7.1ch、HDMI4系統、Wi-Fi対応、自動音場補正あり」とバランスの取れた好モデル。他の7.1chモデルとの差は、最大出力と端子の数、Dolby AtmosとDTS:Xを同時に有効にできないことくらいなので、コスパは高いです。また5.1chでよければ下位のRX-V481も同一性能です。

YAMAHAの現行AVアンプは以下。比較対象になりそうな機種にリンクしています。

 CX-A5100 11.2chプリアンプ。
 MX-A5000 11chパワーアンプ。
 RX-A3060 9.2ch。
 RX-A2060 9.2ch。
 RX-A1060 7.1ch。入力端子が豊富。
 RX-A860 7.1ch。RX-V781の強化ライン。
 RX-V781 7.1ch。HDMI出力2系統。
 RX-V581 本機。
 RX-S601 5.1ch。スリムタイプ。威圧感の少ないチタンのカラーバリエーションあり。
 RX-V481 5.1ch。
 RX-V381 5.1ch。Wi-Fiなし。

 RX-V581のページはこちら


DENON AVR-X1300W

DENON AVサラウンドレシーバー 7.2ch Dolby Atmos DTS:X HDCP2.2 5.6 MHz DSD & ハイレゾ音源対応ネットワーク機能 ブラック AVR-X1300WK
DENON AVR-X1300W
  • HDMI端子:入力6、出力1、4K/60P対応
  • 幅x高さx奥行き:434x151x339mm
  • 付属品:リモコン、セットアップマイク、FM室内アンテナ、AMループアンテナほか

DENONのオーディオ用アンプは力強い低音で人気。AVアンプもある程度そのような傾向を持っています。YAMAHAと比較すると中低音が厚めで直接的なアタック感があり、その代わりにサラウンド感の自然さでは譲る、というのがDENONのAVアンプに対する大方の評価だろうと思います。

このAVR-X1300Wは、DENONの重厚な音が好きな人、他社のアンプを使ってきたけれど迫力の面で音質に不満が出てきた人、サブウーファーがない状態でホームシアターを楽しみたい人にもおすすめです。

DENONのAVアンプはこの機種も含めて「7.2ch」表記となっていてサブウーファーを2台まで接続することができますが、実際のところ、他メーカーの7.1chの機種でもサブウーファープリアウト端子は2つ持っていることが多く(上のYAMAHAのRX-V581もそうです)、またこのAVR-X1300Wにウーファーを2台つなげても個別のコントロールはできないため、機能的には7.1chと7.2chで違いがあるわけではありません。ただ実際上のメリットとして、ウーファーを2台接続することで超低音の出所がよりわかりづらく、サラウンドが自然になる効果は期待できます。

AVR-X1300WのHDMI端子は、入力が6個とこのクラスでも多め。プレーヤー、PC、ゲーム機など入力機器の数が多くても安心です。もちろんBluetoothも付いているのでスマホやタブレットからの音源もワイヤレスで伝送できます。

この機種を検討するにあたってもう一台、気になりそうなのが上位のAVR-X2300Wです。このX1300Wとでは、価格差が現状で2万円ほど。実はスペック的な差がほとんどつけられておらず、最大出力や入出力端子の数が少ない以外は、音質向上を意図したパーツ構成が異なるだけの兄弟機種です。そのことでAVR-X1300Wはエントリークラス、AVR-X2300Wがミドルクラスというメーカー内でも別格の扱いを受けているのですが、一つ上を狙う上では、その音へのこだわりに共感できるかどうかが判断ポイントになります。ひとつの悩みどころになるのではないでしょうか。

Amazonでは両者を聴き比べてX2300Wのほうを購入したレビュアーもいらっしゃいます。シリーズのレビューが混在しているようなので、一応その点には注意してお読みください。

DENONの現行AVアンプ

 AVR-X7200WA 9.2ch。
 AVR-X4200W 7.2ch。
 AVR-X2300W 7.2ch。HDMI入力8、出力2。
 AVR-X2200W 7.2ch。X2300Wと機能的な差が少ない旧機種。値ごろ感あり。
 AVR-X1300W 本機。
 AVR-X1200W 7.2ch。ファームウェアアップデートでDTS:Xに対応する旧機種。X1300Wとの価格差は小さい。

 AVR-X1300Wのページはこちら


SONY STR-DN1070

ソニー ネットワーク対応 HDCP2.2対応 7.1ch AVアンプSONY STR-DN1070
SONY STR-DN1070
  • HDMI端子:入力6、出力1、4K/60P対応
  • 幅x高さx奥行き:430x172x329.4mm
  • 付属品:リモコン、マイク、FMアンテナ線

SONYのSTR-DN1070は、この価格帯のAVレシーバーとしてごく標準的な仕様の機種。ch数、端子類の数、AVアンプとしての機能、Wi-Fi等インターネットとの連携、自動音場補正など、必要十分な構成で、正直これといって突出したものがあるわけではありません。レシーバー(チューナー)部分でAMに非対応なのが、あるとも言えない程度の欠点で、DSDを含めてハイレゾにも対応しています。

意外なことに、これより高性能・多機能のAVアンプ・レシーバーは今はSONYから出ていないので、このSTR-DN1070が事実上の最上位機種となります。

現行のAVレシーバーは下位にもSTR-DH770があるだけで、今ではたった2機種のみ。ファンとしては物足りない心境ですが、今後はハイエンドを含め、ラインナップの再構成と拡充が進むのではないでしょうか。

もう一方のSTR-DH770も本機と同じ7.1chのAVレシーバーになりますが、最大出力W数とHDMI入力端子の数(4つ)でわずかに制限されているほか、Wi-Fi、DLNA、AirPlayに非対応、DSDを含めハイレゾにも非対応といった、シンプルにまとめた仕様のエントリー機種です。

ただ、それでもAVアンプとしての基本機能はそこそこのものがあるわけで、テレビ放送とブルーレイ・DVDがメインの用途でネット経由の動画をテレビでは見ないのであれば、STR-DH770のほうを積極的に選ぶのも賢い選択だと思います。両者は基本機能の差のわりには価格差が大きいのでお得でもありますし、あと筐体も少しだけ薄いのでラックへの収まりもいいです。


 STR-DN1070のページはこちら


marantz NR1606

marantz AVサラウンドレシーバー 7.2ch Dolby Atmos DTS:X HDCP2.2 Wi-Fi/Bluetooth ワイヤレス/ハイレゾ音源対応 ブラック NR-1606/FB
marantz NR1606
  • HDMI端子:入力8、出力1、4K/60P対応
  • 幅x高さx奥行き:440x105x376mm
  • 付属品:リモコン、セットアップマイク、FM室内アンテナ、AMループアンテナほか

マランツのAVアンプの中でエントリー機にあたるのがこのNR1606。一つ上がいきなり11.1chで筐体もハイエンドクラスサイズのSR7010で、後継機のNR1607はまだ5万円台には降りてきていないので、いま低価格帯でマランツのAVアンプが欲しいならこの製品一択になります。

一般的に言ってマランツのオーディオでの音質はキラキラした華やかな傾向があるのですが、(マランツユーザー以外から)伝え聞くところによると、AVアンプのそしてエントリークラスでは、特徴的な個性を感じられるほどではない、他社と際立っては違わないという印象もあるようです。

機能的にはこの価格帯において不足なく備わっていますし、他社を含めても7.1chで薄型なのは大きなアドバンテージです。HDMIの入力は8つと豊富なので、セレクターなしで機器をたくさんつなげますね。

マランツの現行AVアンプ

 AV8802A 11.2ch対応AVプリアンプ。
 SR7010 11.2ch。
 NR1607 最新機種。DSDが2.8MHz→5.6MHz対応になったくらいでほぼ変化なし。
 NR1606 本機。

 Amazonのページはこちら

旧機種を選ぶのも悪くない

AVアンプを選ぶポイントは、基本的にはch数の確認と、プレーヤー、ゲーム機などの接続に十分な入力端子があるかどうか(HDMIの入力端子の数)、あとはネットの動画配信の普及が今後予想されるので、それを利用したいのであればWi-Fiに対応しているかどうかも視野に入れておきたいところです。

各社ともおおよそ1年ごとに新機種が出てきますが、最近の内容を見ると映像や音の細かいフォーマットへの対応が増えるくらいで、4K登場以降はこれといって大きな進歩はありません。もしドルビーアトモス(天井にもスピーカーを設置してサラウンドを立体化できる)など最新の音響フォーマットに強いこだわりがないのであれば、今は過去発売の上位機で価格が下がってきたのを買い、次回の技術的な革新で世代が更新された時に新しい機種に更新していくのもいいでしょう。


スピーカーケーブルの用意をしよう

ホームシアターではスピーカーの数が多い分、ケーブルもそれだけ必要で、部屋の大きさや設置する場所によってそれぞれの長さも異なります。ですので自分で自由に切って使える長尺のケーブルがおすすめ。ここで品質的に必要十分レベルの2商品を紹介します。

まずはAmazonのオリジナルブランド。本記事作成時点では30mで1280円と非常に安価な製品です。ホームセンターの2スケ(平方mm)キャブタイヤケーブルでもこれより安いのは見かけません。さらにしばしばタイムセールで100円、200円くらい安くなっていることがあります。これで利益が出ているんでしょうか?


もう一つは有名な米国モンスターケーブル。家電店でも大きなドラムに巻いて切り売り形式で売っているのをよく見かけます。下の製品は国内代理店がONKYO扱いで、同社のスピーカーの付属ケーブルとしてもおなじみのもの。通常5000円台とAmazonベーシックより高価ですが、ONKYOのスピーカーやアンプを使っている方にはおすすめです。


「AVアンプ」を含むホームシアター関連記事の目次はこちら


ブログ全体の目次はこちらです